ギターを買おうと楽器店に行ったあなた。
そこで「欲しかった新品ギター」と「古いけど好みの中古ギター」の2本が目に止まりました。
えっ、中古?・・・結構です!
と思ったあなた!
それは大きな選択ミスかも知れません。
中古と言われて良いイメージが湧かないかも知れませんが、中古ギターにはそれにしか無い魅力が沢山あります。
ギターに詳しい方の中には、同じお金をかけるんだったら新品より断然中古と言われる方も多いです。
中古品なんて・・・、普通の人だったら疑問を感じるのも無理はありません。
しかし、それはとても理にかなった選び方なのです。
今回は「新品ギターと中古ギター」について、ギター収集歴20年の私がそれぞれ解説していきたいと思います。
この記事を読んで分かることは以下の通りとなります。
- 新品ギターのメリット・デメリット
- 中古ギターのメリット・デメリット
- 中古がもてはやされる理由
- 間違いない一本を買うためには
後悔しないギター選びをするためにも、是非ご覧ください。
新品のメリット・デメリット
まずは新品から。
どんなものでも新品は気持ちが良いものです。
新品ギターのメリット・デメリットは以下の通りとなります。
中古品のメリット・デメリット
続いて中古。
動作に問題がなかったら、中古を買うのが買い物上手です。
中古ギターのメリット・デメリットは以下の通りとなります。
「新しい=良い」とは限らない
上記の新品・中古品のメリット&デメリットを見た感じでは、圧倒的に新品の方が優位に見えると思います。
しかし、それは一般的な”物”として見た時のメリット・デメリットであり、
ギターの世界ではその通りとはいきません。
新品が良いと思う方の中には、新商品(新しいもの)の方が最新技術が使われているので音質が良いと思われる方もいるかも知れません。
しかし、ギターの世界では最先端の技術よりも古い技術の方が好まれる傾向にあります。
その証拠に、今日新品で売られているギターの殆どは、何十年も前に作られたギターのコピーやオマージュばかりで目新しいアップデートはされていません。
なぜこのような現象が起きるのかと言うと、
多くのギタリストが目指している音がそこにあるからです。
ギターとはアナログな楽器な故、最新の技術を盛り込み過ぎてしまうと「ギターらしさ」が無くなってしまい、それを嫌う人が多いです。
また、以前書いた記事「初心者の初心者におすすめ!この春イチオシの入門用エレキギター3選【2022年】」でも少し触れましたが、現代では品質の高い木材の減少や価格高騰が起きており、古いギターに使われている木材の方が質が良い場合が多いです。
例を挙げると、低価格帯のギターに使われる木材。
今では50,000円ぐらいまでのギターにはポプラが多く使われています。
昔はこの価格帯でもアルダー、アッシュ、マホガニー等の材を使ったギターも多くありました。
造りもあるのでしょうが、私が弾いた限りではポプラ材のギターは音の像が弱くて無駄にボディがぼわぼわ鳴ってる印象です。
また、材自体が柔らかい為、新品の状態でもネジ山が終わってる個体がありました。
このように、同じ価格帯のギターでも昔(中古品)の方が木材の質が高い事が多いです。
以上の事が、中古ギターが重宝される理由です。
オールドとビンテージ、そして生き抜いた証
中古ギターを見ていると「オールド」と「ビンテージ」と言った表示を見ることがあると思います。
どちらも古い楽器に間違いありませんが一般的に、
オールドは年式が古いもの。
ビンテージは年式が古く、歴史的価値のあるもの。
と言った感じで認識されています。
また、基本的に傷と言うものは有れば有るほど価値が下がっていきます。
しかし、オールド・ビンテージになると傷で価値が下がることは稀で、場合によれば誇らしい物として扱われます。
新品ギターの中には、こう言った歴戦を戦い抜いたような傷をあえて付けてあるものも存在します。
皆さんの身近なところで言うと、ダメージジーンズに近い感じでしょうか。
経年による味や風格を楽しむ、そういった楽しみ方も中古ギターの面白いところです。
基本的にビンテージギターは超高額になりますが、オールドギターはそこまで高くないので(高くても当時の新品価格と同じ)オールドギターが狙い目。
現行品の中古はただ単にお買い得なだけなのであまり魅力的ではありません。
新品と値段がそんなに変わらないなら、新品を買った方が良いです。
購入する時は必ず専門店で!
ここまで読んでいただいた方の中には、中古ギターに興味が湧いた方もおられると思います。
ここで一つ注意点ですが、
購入する際はリペア(調整・修理)に強い楽器店で買われることをおすすめします。
自分でプロ並みのメンテンナンスが出来る方は別ですが、リサイクルショップやオークションサイトなどで安易に買うのはやめておいた方が無難です。
何故かと言うと、買ったは良いけど弾き難くてプロにリペアしてもらうことになり、結局買った値段以上に費用がかかる場合があります。
また、売る側が問題無い(悪意が無くても)と販売して購入したは良いけど、素人目には分からないだけで実は大きな問題を抱えているという可能性もあります。
ギターと言うのはほぼ木材で出来ているので思いのほかデリケートな楽器です。
長い間、弾かなかったりメンテナンスをしてなかったりするとネックや指板に影響が出てくる個体もあります。
そして、ギターを売ると言うことは、使ってないから売ると言う場合が殆どかと思います。
もし、問題があってもプロのリペアマンならきちんと調整してくれますし、まともなお店なら問題解決出来ないギターはそもそも店頭に並べません。
リペア済みとは言われても、問題があったギターなんて買って良いの?と思われるかもしれません。
先ほども申しましたがギターと言うのは木材ですのでどんなに完璧なものを買っても、多かれ少なかれ環境変化の影響を受けてしまいます。
特に日本には四季があるので、ギターにとっては過酷な環境と言えるでしょう。
これは中古ギターに限らず、新品のギターにも同じ事が言えます。
新品を購入した場合でも、楽器店の店員さんが調整してからお客様にお渡しするのが基本です。
ただし、新品はメーカー保証が付いているので販売店が手に負えない状態であっても、メーカーにが対応してくれるので安心ではあります。
まとめ
冒頭で「中古は結構です!」と思った方、少しは中古ギターの魅力が分かっていただけましたか?
今回はギターと言うことで話をしましたが、その他の楽器にも同じような事が言えます。
一つ勘違いしてほしくないのは、新品ギターがダメと言う事ではありません。
もしかしたら、新品ギターの中にも名機と言われるビンテージギターを超えるような製品があるかもしれません。
確実に言えるのは、現代の方が設備や機器の関係で個体差が少なく品質管理と言う面では優れているので、新品はハズレを引く可能性は低いです。
ネットショッピングで購入する場合、本来なら楽器屋さんのサイトで購入するのがおすすめですが、Amazon等の楽器店以外で購入する場合において個体差が少ないと言うのは売り手・買い手の双方とも大きなメリットです。
新品・中古品にとらわれず、視野を広げて「最高の一本」を見つけ出してください。
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